2-B21 Deliberate Maladjustment by Microorganisms: A Medium for Images or Luminous Bacteria
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2-B21 Deliberate Maladjustment by Microorganisms: A Medium for Images or Luminous Bacteria
佐伯 拓海 (九州大学), 増田 展大 (九州大学), 城 一裕 (九州大学)
本論文では,筆者らの制作した2つの作品A Medium for Images or Luminous Bacteriaと‘イ’ (1926) by BioLuminescent Bacteriaを通し,“わざと調整しない(deliberately maladjusted)”(Vasulka, 1970) という言葉の新たな意義を,微生物による画像処理と結びつけることで明らかにする.“わざと調整しない”こととは,1970年代のビデオアートにおける,当時支配的なメディアであったテレビジョンに対する物理的な介入のもつ批評性を表した言葉である.これらとは対照的に,現代のコンピューターによる画像処理は,デジタル計算とディスプレイにうまく調整された(well-adjustedな)方法で,様々な視覚メディアをシミュレートし,操作する.著者たちは,生きた存在や微生物を用いた画像処理の歴史的過程を再考し,”わざと調整しない”作品の可能性の拡張を試みる.